はじめに
同じチームで作っているのに、「このボタン、微妙に違う?」「またデザイン調整が入った?」 そんな経験、ありませんか? サービスの規模が大きくなるにつれ、UIの一貫性や開発スピードに課題が出てきます。 そこで役立つのが「デザインシステム」。
この記事では、現場で運用しやすいデザインシステムの作り方と、Figmaでの整理・共有ポイントをUIデザイナー目線で紹介します。 「作って終わり」にならない、育てるデザインシステムを一緒に考えてみましょう。
1. デザインシステムとは?
デザインシステムとは、組織やプロジェクト内でのデザインに関する一貫性と効率性を促進するためのガイドライン、要素、ルール、ツールの体系的な集合体です。これは、デザインの品質を維持し、異なるプロジェクトやチーム間で一貫性のあるデザインを実現するのに役立ちます。
デザインシステムの構成
以下は、デザインシステムの主な構成要素です。これらが組み合わさることで、効率的で再現性のあるデザイン環境が整います。
- デザインプリンシプル:デザインの方針や価値観を明示し、判断基準を共有します。
- デザインガイドライン:色・フォント・アイコンなどUI要素の使い方を定義します。
- デザイントークン:色やフォントサイズ、余白などを変数として管理し、再利用や実装との接続を容易にします。
- UIコンポーネントライブラリ:ボタンやフォームなど再利用可能なUI部品の集まりです。
- テンプレートとパターン:よく使うページ構成や機能ブロックをテンプレート化することで設計を効率化します。
- ユーザーガイド:システムの使い方や操作指針を文書化し、ユーザー理解を促進します。
デザインシステム導入のメリット
- 一貫性の確保:ブランドやUIに統一感が生まれ、ユーザー体験の信頼性が向上します。
- 効率的な作業:再利用可能な資産により、デザインと実装のスピードが上がります。
- コラボレーションの向上:共通の言語でデザイナーとエンジニアの連携がスムーズになります。
- 変更の管理:トークンやガイドラインにより、全体に影響する変更も柔軟に対応可能です。
- 品質の向上:ベストプラクティスが体系化されているため、使いやすく、保守性の高いデザインが実現します。
- 新メンバーのオンボーディング:誰でもすぐにプロジェクトスタンダードを理解でき、参加しやすくなります。
- デザイナー・エンジニア・ディレクターの共通言語
2. 最小構成は少なくまずは3つから
以下は、デザインシステムを構築する上で最初に揃えるべき基本要素です。小さく始めて徐々に拡張することで、無理のない導入が可能になります。
- カラー(primary, secondary, background など)
- タイポグラフィ(font-size, weight, line-height)
- スペーシング(8px単位、margin/gap/padding)
3. Figmaでの設計ポイント
- Design Token的な命名で共有しやすく
- Variants / Auto Layout の活用
- 基本コンポーネントと応用パターンを区別する
4. よくある落とし穴とその対処法
- 作って終わりになりがち → メンテナンスルールを決める
- 誰も管理していない → ドキュメント化・定例での共有を仕組み化
- 運用しづらい → 命名や構成のシンプルさがポイント
5. チームで育てる文化づくり
デザインシステムは「作って終わり」ではなく、「育てていくもの」です。チーム全員が参加しやすい仕組みをつくりましょう。
- 小さく始めてフィードバックを回す
- デザイナーとエンジニアが一緒に管理することのメリット
まとめ
- 「デザインシステム」として意識すると再現性・品質・連携が飛躍的に向上
- まずはデザインシステムを「共通言語化」するところから始めよう